【世界有数】黒潮の恵みと共に、多様な生態系を楽しむ伊豆のダイビング

2015-08-15

スキューバダイビングと言えば、世界的にもメジャーなレジャースポーツです。日本でも不動の人気を誇っていて、一度はやってみたいと思う人もおおいのではないでしょうか。

では日本でスキューバダイビングと言えば?
思い浮かぶのは、「沖縄」「小笠原諸島」といったところかもしれません。

少し調べてみるとわかりますが、実は日本のダイビングスポットは非常に多いのです。

沖縄、小笠原諸島はもちろんですが、奄美や鹿児島、熊本、宮崎、和歌山、高知、そして、伊豆。そのほかにも神奈川や佐渡、北海道でも楽しめます。

ダイビングスポットの数がこれだけあるということは、その人気も高いということの裏返しです。
今ではそのように、日本でもメジャーなレジャースポーツとなったスキューバダイビングですが、実はその日本での発祥は伊豆にあります。

益田一先生という方が、1964年に伊豆海洋公園にダイビングセンターが設立されたことから、日本のレジャーダイビングが始まったと言われています。

そこからスタートして、日本全国にダイビングスポットが開発され、今ではほぼ日本全国でダイビングを楽しむことができるようになったのです。

そして、その生い立ちが理由なだけではなく、世界でも有名なダイビングスポットとして、伊豆は知られてきました。
なぜ、世界的にも有数なダイビングスポットとして知られるようになったのでしょうか。

伊豆はダイビングスポットとしても本当に美しいところなのです。

今回はその伊豆半島の生い立ちから、黒潮の影響まで、伊豆のダイビングスポットとしての成り立ちと優れたところについてご紹介します。

伊豆半島の歴史

伊豆半島は約2000万年に、本州の南の海上数百キロ沖に存在した海底火山群がその始まりと言われています。

その誕生の位置は現在の地図では硫黄島付近と言われています。硫黄島といえば、世界的にも有名なダイビングスポット、小笠原諸島よりも更に南にありますから、かなり驚きです。
 

現在、小笠原諸島付近で西之島という火山島が噴火により出来上がりましたが、まさにあのような火山島から全てが始まったのです。
 

その後、その火山島の一つであったものが、フィリピン海プレートの移動と共に北上を続けて、やがて本州に近づきます。
そして、ついにその島と本州が衝突したのが今から約60万年前のことだと言われています。

2000万年前から60万年前まで。

私たちの生きている寿命よりもずっとずっと長い、気が遠くなるような時間をかけて本州へやってきたのですね。

本州にぶつかったほうの伊豆半島は、もともと火山島です。
火山島は何もない海底から段々と山が作られていきます。

そして、ついに山の頭が海に顔を出して島になるのです。つまり、伊豆半島はもともとの火山の頂上付近だけが見えているようなものです。

そして、そのもともとの山の裾野は、海底に向かって広がっていく地形をしています。海の中に富士山がすっぽり浸かっているようなものです。
ですから、伊豆半島の水中の地形は、陸から割と近いところで段々と深くなっていく地形をしています。
そのおかげでダイビングにとってはメリットがあります。

深い場所から浅い場所までいろんな水中の地形が作り出されて、ダイナミックで多様なスキューバを楽しむことができるようになったのです。

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ちなみに、今の伊豆半島が、海の中から陸上に隆起したのは200万年前から100万年前くらいと言われています。
この島と本州がぶつかって半島になったんですね。
本州とぶつかって出来たのは伊豆半島だけでなく、箱根や御殿場あたりも同じく島だったのだそうです。
この名残りで、今も足柄山〜御殿場付近には海底の堆積物の地層が残されているそうです。

黒潮との関係性

伊豆でのダイビングを語るときには、黒潮の影響を抜きにすることはできません。

 
ちなみに黒潮って何でしょうか。黒潮は日本海流と呼ばれる海の流れのなかでも暖かい水を運ぶ「暖流」の一種です。黒潮は世界でも最大規模の海流と言われています。
 
 
では、なぜ「黒潮」なんでしょうか。それは、海の色が黒いから!ではありませんが、本当に青黒っぽい色をしているからなんですね。

黒潮はただの暖かい水の流れというだけでなく、巨大な海の川なんです。幅は100km以上、深さは数100m、表面の速さは毎秒2mと言われています。昔は「黒瀬川」と呼ばれたこともあるそうです。

 
この巨大な海の川は深く、塩分の濃度が高く、そして流れが速いため、海の表面で栄養分が消費されてしまうため、水の上下方向での循環が起こりにくいのです。そうするとプランクトンなどが育ちにくく、多様な生態系にならないのです。ですから、栄養素が乏しく、プランクトンなどの微生物も少ないので、必然的に水の透明度が上がります。

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水の透明度が上がると青い色を優先的に吸収するので、海が深い青色、つまり紺色に見えるのです。 
 
そのため「黒瀬川」とか「黒潮」という名前がついたのです。ですから黒潮の近くでは透明度が高く、青い海になります。
 

黒潮は九州から四国、本州の沿岸部に沿って流れています。伊豆半島は本州から少し突き出した形になるので、本州では四国や和歌山と同じく、黒潮に近い位置にあるのです。

黒潮がもたらす恩恵

しかし、栄養素が少ない海流ですので、生物にとっては生きにくい環境になります。その黒潮がなぜ、伊豆のダイビングには欠かせないのでしょうか。
 
 
黒潮は確かに貧栄養の海流ですが、重要なのはその規模と海流、そして温度です。
 
 
非常に大きくて速い海流は、沖縄などの南の島から亜熱帯、熱帯の魚たちの卵や稚魚を連れてきます。日本の太平洋沿岸に流れ着いてくるのです。
 
 
ですから、伊豆では亜熱帯性や熱帯性の魚も見ることができます。これがゆっくりで規模の小さい海流であれば、伊豆半島に到達することもないでしょう。

また、黒潮は暖流ですから、亜熱帯や熱帯性の生物が生息するために必要な海水温を保つ上でも重要な役割を果たしています。大量の暖かい海流がとんでもない速度で本州沿岸に運ばれてくるのです。海水温は自然と暖かくなります。
 
 
そして、実は南方の暖かい水を運んでくる黒潮がもっとも本州に接近するのは秋なのです。ですから、秋が実は一番海水温が高く、透明度も黒潮の影響で増すのです。この秋のダイビングの良さについては別途書いてみたいと思いますが、いずれにしても黒潮による恩恵は確実にダイビングに影響を与えています。
 
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黒潮があるからこそ、これだけ多様な生物を季節に応じてみることができる。黒潮が接近するかしないかだけでも伊豆の海の雰囲気や透明度はガラッと変わってしまいます。
 
 
ダイバーによっては透明度が上がる夏の終わりから秋にかけて、海がいつもよりしょっぱくなるという人もいます。塩分濃度が高い黒潮の影響なのでしょうか。でも、確かにしょっぱく感じるときは海の透明度も高い、そんな気がします。
 
 

伊豆半島と黒潮の出会い

伊豆半島が60万年前に本州にぶつかってから、あるいはその前から半島は黒潮とともに長い時間を共に過ごしてきたはずです。
 
 
ずっとずっと昔から、黒潮と伊豆半島が織りなす自然の営みがあり、私たちがダイビングができるようになる前から豊かな海が作り上げられていたのですね。
 
 
その自然の営みの中でダイビングというレジャーを楽しむことができる。本当に素晴らしいことだと思います。
 
 
黒潮が半島へ近づいてくる秋は、ダイバーにとって楽しみな時期であり、地球が生きているという自然のダイナミックさを感じられる時期でもあります。

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