伊豆のダイビングは黒潮の恩恵により成り立っている

2015-08-15

今ではメジャーなスポーツとなってスキューバダイビングですが、その発祥は伊豆海洋公園にダイビングセンターが設立されたことから始まったと言われています。それからずっと世界でも有数のスポットとして伊豆は知られてきました。

今回はその伊豆半島の生い立ちと黒潮の関係性がダイビングにどのように影響をもたらしたかについて書いてみます。

伊豆半島の歴史

伊豆半島は約2000万年に、本州の南の海上数百キロ沖に存在した海底火山群がその始まりと言われています。その位置は現在の地図では硫黄島付近と言われています。硫黄島といえば、世界的にも有名なダイビングスポット、小笠原諸島よりも更に南にありますから、かなり驚きです。
 

現在、小笠原諸島付近で西ノ島という火山島が噴火により出来上がりましたが、まさにあのような火山島から全てが始まったのです。
 
その後、その火山島の一つであったものが、フィリピン海プレートの移動と共に本州に近づき、本州と衝突したのが今から約60万年前のことだと言われています。

2000万年前から60万年前まで。私たちの生きている寿命よりもずっとずっと長い、気が遠くなるような時間をかけて本州へやってきたのですね。そのお陰で近くでダイナミックな地形のスキューバを楽しむことができる!伊豆半島よ、来てくれてありがとう!

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ちなみに今の半島が島の時に、海の中から陸上に隆起したのは200万年前から100万年前くらいと言われています。この島と本州がぶつかって半島になったんですね。この名残りで、今も足柄山〜御殿場付近には海底の堆積物の地層が残されているそうです。

黒潮との関係性

伊豆でのダイビングを語るときには、黒潮の影響を抜きにすることはできません。

 
ちなみに黒潮って何でしょうか。黒潮は日本海流と呼ばれる海の流れのなかでも暖かい水を運ぶ「暖流」の一種です。黒潮は世界でも最大規模の海流と言われています。
 
 
では、なぜ「黒潮」なんでしょうか。それは、海の色が黒いから!ではありませんが、本当に青黒っぽい色をしているからなんですね。

黒潮はただの暖かい水の流れというだけでなく、巨大な海の川なんです。幅は100km以上、深さは数100m、表面の速さは毎秒2mと言われています。昔は「黒瀬川」と呼ばれたこともあるそうです。

 
この巨大な海の川は深く、塩分の濃度が高く、そして流れが速いため、海の表面で栄養分が消費されてしまうため、水の上下方向での循環が起こりにくいのです。そうするとプランクトンなどが育ちにくく、多様な生態系にならないのです。ですから、栄養素が乏しく、プランクトンなどの微生物も少ないので、必然的に水の透明度が上がります。

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水の透明度が上がると青い色を優先的に吸収するので、海が深い青色、つまり紺色に見えるのです。 
 
そのため「黒瀬川」とか「黒潮」という名前がついたのです。ですから黒潮の近くでは透明度が高く、青い海になります。
 

黒潮は九州から四国、本州の沿岸部に沿って流れています。伊豆半島は本州から少し突き出した形になるので、本州では四国や和歌山と同じく、黒潮に近い位置にあるのです。

黒潮がもたらす恩恵

しかし、栄養素が少ない海流ですので、生物にとっては生きにくい環境になります。その黒潮がなぜ、伊豆のダイビングには欠かせないのでしょうか。
 
 
黒潮は確かに貧栄養の海流ですが、重要なのはその規模と海流、そして温度です。
 
 
非常に大きくて速い海流は、沖縄などの南の島から亜熱帯、熱帯の魚たちの卵や稚魚を連れてきます。日本の太平洋沿岸に流れ着いてくるのです。
 
 
ですから、伊豆では亜熱帯性や熱帯性の魚も見ることができます。これがゆっくりで規模の小さい海流であれば、伊豆半島に到達することもないでしょう。

また、黒潮は暖流ですから、亜熱帯や熱帯性の生物が生息するために必要な海水温を保つ上でも重要な役割を果たしています。大量の暖かい海流がとんでもない速度で本州沿岸に運ばれてくるのです。海水温は自然と暖かくなります。
 
 
そして、実は南方の暖かい水を運んでくる黒潮がもっとも本州に接近するのは秋なのです。ですから、秋が実は一番海水温が高く、透明度も黒潮の影響で増すのです。この秋のダイビングの良さについては別途書いてみたいと思いますが、いずれにしても黒潮による恩恵は確実にダイビングに影響を与えています。
 
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黒潮があるからこそ、これだけ多様な生物を季節に応じてみることができる。黒潮が接近するかしないかだけでも伊豆の海の雰囲気や透明度はガラッと変わってしまいます。
 
 
ダイバーによっては透明度が上がる夏の終わりから秋にかけて、海がいつもよりしょっぱくなるという人もいます。塩分濃度が高い黒潮の影響なのでしょうか。でも、確かにしょっぱく感じるときは海の透明度も高い、そんな気がします。
 
 

伊豆半島と黒潮の出会い

伊豆半島が60万年前に本州にぶつかってから、あるいはその前から半島は黒潮とともに長い時間を共に過ごしてきたはずです。
 
 
ずっとずっと昔から、黒潮と伊豆半島が織りなす自然の営みがあり、私たちがダイビングができるようになる前から豊かな海が作り上げられていたのですね。
 
 
その自然の営みの中でダイビングというレジャーを楽しむことができる。本当に素晴らしいことだと思います。
 
 
黒潮が半島へ近づいてくる秋は、ダイバーにとって楽しみな時期であり、地球が生きているという自然のダイナミックさを感じられる時期でもあります。

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